ちょこっと相談会
今年80歳になる母が大分で独り暮らしをしています。2年前に父(彼女にしたら夫)を亡くしました。いわゆる「人里離れた」、小高い丘の上で暮らしていて、もともと運転免許を持っていないため、買い物するにも、病院に行くにも、タクシーで、という生活です。ご近所には数軒民家がありますが、お付き合いはほとんどなく、「テレビがお友達」。
子どもが実家からみんな出て行ってしまって、残るは年老いた親だけ。そんな状況はうちだけでなく、日本全国珍しいことではないと思います。わたしも車を飛ばせば帰れない距離ではないので、月に1回くらいは、母の様子を見に行くようにしています。
おかげさまで母はまだ心身ともに元気なのですが、家に独りでいるのは何かと寂しかったり、不便なこともあろうかと、よかれと思って、「この家売って、街に近いところに移ったら?」なんて、切り出すと、とても悲しい顔をされます。父とともに築き上げた家には愛着が満ちあふれているでしょうし、独りだからといって、小ぢんまりとした家に移るのはプライドが許さない(今の家が決して立派という意味ではないんですが)といったところでしょうか。
きょうも一度怒らせてしまいました。私が父の遺品を整理したらどうかという意味で「家の片付け手伝うよ」と言ったら、「私をこの家から追い出すのか」という始末。私の言葉も確かに足りませんでしたが、親子ゆえのコミュニケーションの難しさを痛感しました。日ごろ行政書士として、相続の準備に向けて「親子でよく話し合うのが大切」などと説いている張本人がこのざまですから…。情けないです。
さて、そうはいっても、あきらめずに親子でじっくり話し合いをしていくしか、相続、または、代替わりを円満に進める方法はありません。どんなささいなことでもいいので、話し合いのきっかけ、話題の糸口を何か見つけて、なるべく早い段階から、親子でお互いの立場を思いやって、ゆっくり話をしてみていただきたいと思います(自戒を込めて)。
そのきっかけづくりにぜひお役立ていただきたいのが、当事務所で開催します「相続ちょこっと相談会」です。「こないだテレビで見たばってん、相続のこの用語はどぎゃん意味だろうか」「たいしたことなかばってん、聞いてよかろうか」なんて、思われているささいな疑問や不安を、どんどんぶつけていただく相談会です。もちろん、「うちのややこしい相続、ちょっと整理してくれ」といったガッツリしたご質問も大歓迎です。
みなさんのお悩みの大半は、「ちょっと聞いてみたかばってん、なかなか聞ける人の近くにおらんもんね」ということです。もやもやしていることがあったら、この相談会で、どうぞ、スッキリ!して帰られてください。日時は7月13日(土)午前10時~午後4時。場所は玉名市民会館第5会議室です。どうぞお気軽にお立ち寄りください。お待ちしています。